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映画レビュー:No.686 ラッキー

ラッキー
88分 / アメリカ
公開:2018年3月17日
監督:ジョン・リンチ・キャロル
出演:ハリー・ディーン・スタントン
デヴィッド・リンチ
ロン・リビングストン
バリー・シャバカ・ヘンリー







ネタバレはありません。




渋谷のマックで持ち込みの魚肉ソーセージとカニカマだけ食べてすぐ帰った制服の男の子が中々新しかった。

▼魅力的な主人公~人生の厚みを感じさせるハリー・ディーン・スタントンの存在感
ここに至るまでを感じさせるハリー・ディーン・スタントンの存在感が良いねえ。よいよいのジジイなんだけど目が離せない。
無口で武骨、心の中にある傷や苦い思い出をユーモアで包んでいる、そんな厚みがたっぷり詰まってる感じ。一言で言えばファーストシーンから好きになっちゃうわけよ。
戦争や差別意識、カウボーイと「古い時代の男らしさ」に対するカウンターの意識を感じるのだけど、これみよがしなポリティカリー・コレクトではなくあくまで過去の蓄積で至った今、というのをフラットに捉えている。

▼老いることの肯定
衰えではなく単なる現在として描くことで「老い」を肯定しているようでハリー・ディーン・スタントンという人生の先輩に対する敬意に満ちている。
彼はジジイであることを笑われているし自分でもそういう風に見られていることに意識的に振る舞ったりする。ただ同年代の人間に対して絶対にそういう部分を突き放さない。それは積み重ねてきた経験やそれゆえの痛みを理解しているからだと思う。
僕は日本の若い人が経年変化をことさらに馬鹿にする風潮は正直幼稚だと思っているのでこの映画のそういう手触りはとても良いなと思った。

▼「そういうもんだ」というカラッとしたユーモア
歳を取るのは普通のことだし、全員がいずれはそうなる。高橋ヨシキが言っていた「人は劣化しない。成長する」という言葉が好きだし、年齢を重ねるごとに人生はより良くなっていくと実感している。もちろん肉体的な衰えに一喜一憂したりするけどそれもどこかで受け入れられるようになる気がしてる。
この映画の主人公も身終いのような諦観や過剰なノスタルジーもなく至って当たり前におじいさんとしての生活をしている。別に普通だろうとカラッとしたユーモアで包んでいて、こういう爺さんになりたいかもなと思わせてくれる。
達観と言うか「これでいいや」っていう自意識レスな感じはまだ僕にはわからない部分もあるけど、そこも「じきにわかるさ、小僧」って感じで良かった。

★★★★★★★☆ / 7.5点

あと劇中主人公が言う「つまらん雑談よりは気まずい沈黙のほうが良い」というセリフは積極的に使っていきたい。

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