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映画レビュー:No.700 アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー

アベンジャーズインフィニティ
149分 / アメリカ
公開:2018年4月27日
監督:アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ
出演:ロバート・ダウニー・Jr
クリス・ヘムズワース
マーク・ラファロ
クリス・エヴァンス
スカーレット・ジョハンソン
ベネディクト・カンバーバッチ
ドン・チードル
トム・ホランド
チャドウィック・ボーズマン
クリス・プラット







最後の最後まで超絶ネタバレしてます。




「6回途中3失点」と書かれると「6回1/3投げたのか」などと解釈しがち。

▼関係性を結び続ける面白さ
とにかく最初からノンストップで面白いシーンばっかり続くんで終始脳内麻薬でドバドバに酔っ払ったような状態だった。
マイティ・ソーシリーズ、キャプテン・アメリカシリーズと未見なので割と行間読むとこもあったけど、それを抜きにしても神業的な交通整理なんじゃないかと思う。流石になんにも知らないって人がこの作品から観てもわからないだろうけど、最低限どの作品のキャラクターかくらい知ってればあとは大体どういうことかわかるんじゃないかな。
「いやー、説明してくれてるなあ」という場面は本当に最小限で、速攻で敵が来てあっという間に戦いが始まる。新しい登場人物の出し方もとても上手い。
アベンジャーズの一作目からやってたセリフを反復する関係性のみせ方も相変わらず鮮やかで、キャラがかぶってるところはあえてぶつけてコメディにしたり、会話にしても戦闘中のコンビネーションにしてもどんどん新しい関係性が立ち上がってくるのが見ていて気持ちよかった。

▼利己と利他~対照的なヒーローと悪役の行動原理
サノスを前にして行う瀬戸際の駆け引きの構図が毎回「俺のことはいいから使命を全うしろ!」という大義と私情を天秤にかける形なんだけど、そこで描かれるヒーロー側のある意味で利己的な決断は他者を思いやるという極めて人間的な心理だと思うので、結局アベンジャーズはそれが原因でサノスに負けてしまうのだけど僕は間違っていないと思った。思ったというか思いたいというか。
世界を救うと言ってもピンとこないけれど目の前の仲間が死ぬという現実はとても痛切なものだと思うから、僕は彼らがヒーローとしてではなく人間として下す決断を尊重したい。
対するサノスは「大きな目的と小さな犠牲」という言葉を使う。そうやって大きな主語を用いてある意味で利他的な動機から目的を達成したサノスが最後にみせる孤独な自己満足が、僕にはとても虚しく映った。

▼ヒーローではなくヒロイズムが希望なのだという物語~一人じゃないことの強さ
僕はこの映画を観ていて何回も「誰か助けてくれ!」って思った。そういう時必ず誰かが助けにきてくれた。
そうやって手を貸してくれた人物もまた完璧ではなくて、別の困難にぶつかった時にはまた別の人物が「力を貸すよ」と手を差し伸べてくれる。
僕はMCUリテラシーが低いのでそこにあるドラマを完璧にキャッチできていない場面が沢山あると思うけど、そんなことわからなくても「そう!力を貸してやってくれ!そいつ良いやつだから!」ってそうやって全員応援してしまった。この映画の感動は「そこで来てくれるのがキャプテン・アメリカだから」とかそういうことじゃなくて「助けてほしい時に誰かが助けてくれるということが希望を繋ぐ」という、そういうことだと解釈してグッと来た。
キャラクターの描きわけも突き詰めれば「思想も立場も人種も違う人達が手を取り合って守るのが平和なんだ」というメッセージに集約されるのかなと思う。
僕たちの強さは一人ではない事だ、と全てのシーンが言っていてとても感動した。一人ひとりではサノスに敵わないかもしれないけれど、僕もヒーローではなくヒロイズムを信じたい人間なのでそれでも戦う彼らを応援している。

▼不可逆な領域に踏み込む覚悟とそれに向き合う誠実な責任感
10年かけてMCUはこの世界観を作り上げてきたけれど、その世界をまとめて引き受ける悪を登場させたことで初めて「世界」というのが主語として成立する物語ができている。それって凄いことだと思う。
そうやって常に広がり続けてきた物語が本作で初めて喪失を描く。今まではアベンジャーズをやったあともさらっと個々人の戦いに戻っていた彼らがついに戻れないところまで来た。
本作は楽しいシーンがたくさんある。でも最後まで観るとあの時間に戻れないことがとにかく悲しい。ピーター・パーカーが最後に漏らす言葉には本当に胸が詰まった。
僕はスパイディもクイルも大好きだったから今は心にぽっかり穴が空いたような気持ちだよ。もう彼らの新しい物語は観れないんだなあ。こんなにキャラクターの死を実感することも珍しいと思う。

そういう余韻も含めて娯楽作品として全てを引き受けていて素晴らしかった。
良い続編を作るということが作り手の責任感の現れだとしたら、この映画ほど誠実な作品は無いよ。それは作品に関わる全ての人に対してもそうだし、もちろんそれを劇場で目撃する観客に対してもそうだ。

★★★★★★★★★ / 9.0点

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