映画レビュー:No.529 T2 トレインスポッティング

0 0
T2 トレインスポッティング
117分 / イギリス
公開:2017年1月27日(日本公開:2017年4月8日)
監督:ダニー・ボイル
出演:ユアン・マクレガー
ユエン・ブレムナー
ジョニー・リー・ミラー
ロバート・カーライル
ケリー・マクドナルド







この記事はネタバレを含みます。ご了承ください。





ライアン・ゴズリングとベグビーとSUPERSTAR BUTCHさんと延々麻雀をする夢を見た話を友人にしたらライアン・ゴズリングがすごい強かった件に共感してもらってめちゃめちゃ嬉しかった。
次に同じシチュエーションの夢を観る時ベグビーはちゃんとT2のベグビーで出てくるだろうか。

▼ちょっとだけ強引な舞台建て~レントンというしょーもない語り部
一作目観といてよかったー。一作目は必見の続編。観ないで行くなら行かないどこう。

一作目は主人公たちの享楽的で無為な青春の過ごし方に「ふーん...」という感じで特に感慨もなかったんだけど今作は20年というリアルな時間経過を踏まえつつ一作目を丸ごと相対化する話で凄く良かった。特に僕が最近事あるごとに考えてしまう「限定的な人生」というまさにその話をしててグッと来た。

前作のクライマックスを経て主人公たちは完全に「人生のピークは過ぎた」って感じに惰性の日々を過ごしてる。
というより20年という歳月で彼らの人生は"頭打ち"、もしくは"先細り"が行くとこまで行っている。金を手にしたやつらも裏切られたやつらも結局同じ穴のムジナで、悪い意味で何にも変わらないまま故郷というボトムで過去にすがる。
まあレントンとかどの面下げてサイモンに会いにいけんの?と思うしあいつピンチになるとすぐ自己正当化したり「俺ら友達じゃん!」って安く情に訴えたり姑息なくせに考えが甘くてホントしょーもない。
そんなレントンを通じた友情忖度の塩梅がそのまま物語のキャラクターの信用度合いに繋がる感じなんだけどここがすげえ気分次第っていうか敵モード、味方モードをどう感じれば良いのか、どこまで本気でどこまで軽いのか結構掴みかねるんで、結果として面白く観たけど演出の一貫性の無さと紙一重のようにも感じなくもない。
だって友情の内輪もめなのに真面目に殺し合いになるとは思わないじゃん。レントンの中でも前作でしたことに対する責任感がブレッブレだよ。笑 お前は何が大丈夫で何がやべえと思ってるんだ。

▼物語を物語として相対化する物語的仕掛け
レントンとサイモンが昔に戻ったようにつるんでバカやりまくるシーンでサイモンのビジネス彼女が「あんたら付き合ってるみたいね」「過去に生きててしょーもない」って全部言ってくれるんだけど逆にスパッドが自己表現、それも物語の力で先に進もうとする姿に凄くグッと来た。
トミーに華を手向けたあのロケーションの場面から次のシーンでヤクをキメてブッ飛んでるってのは前作を踏襲した演出だけど、そのシーンでスパッドが我慢している、それも愚かな友人を正視して我慢している姿に彼が本当に人生を前に進めようとしているんだと感動した。
自叙伝を書くということはHistory=His storyとして過去を相対化する、つまり過去を過去にしてしまう行為なんだけど同時に全てを特別な時間として残す行為でもある。逆に言えば物語の中でなら何度でもあの頃に戻れる。僕はあのラストシーンはそういう意味だと思った。
俺たちはあの頃を思い出す方法を知ってるだろ?ってさ。呪いのようでも、麻薬のようでも、希望のようでもある。

こういう形でトレインスポッティングという作品世界を閉じたのは本当に素晴らしいと思う。前作が広義の青春映画なら20年経ってキャラも作り手もみんな大人になったって事だよ。

★★★★★★★★☆ / 8.5点


関連記事
ページトップ