29
2017

映画レビュー:No.550 夜に生きる(原題「Live by Night」)

夜に生きる
129分 / アメリカ
公開:2016年12月25日(日本公開:2017年5月20日)
監督:ベン・アフレック
出演:ベン・アフレック
エル・ファニング
ブレンダン・グリーソン
クリス・メッシーナ
シエナ・ミラー
ゾーイ・サルダナ
クリス・クーパー







この記事はネタバレを含みます。ご了承ください。




今年初のアイスコーヒーをいれようと思ったら冷凍庫に氷が一欠片すらなかった。

▼脚本の人、ベン・アフレック
時代背景を盛り込んだ脚本の要素の散りばめ方がとっても上手くてやっぱりベン・アフレックは元々脚本の人なんだなって思った。すっげえ色々起こるしその全部に設定的な必然があるっていう、おお!なんか時代が立体的に見えるぞ!って感心した。
「俺は無法者として何者にも縛られず自由に生きる!」って言ってるくせに「でもギャングの愛人を好きになっちゃって、、、」ってお前火に入る気満々かよ!って思うんだけどまあベン・アフレックらしいっちゃらしい始まり方。
そこから案の定ヤバい目にあって復讐のためにギャング入り、禁酒法ビジネス、イタリア系とアイルランド系の抗争、KKK、カジノビジネス、キリスト教徒とバリエーション豊かにめんどくさい事がたっくさん起きる。それを特段盛り上げようとはせず「まあそういう職業だからね」ってなもんで淡々とこなしてくのがプロフェッショナルっぽくて気持ちよかった。ベン・アフレックの諦観漂う死んだ目と語り口の相性もいい。
毎回何か言わずにはいられない(でも仕事はできる)イタリア系の相棒の即物的で低体温なユーモア感も楽しかった。

▼ベン・アフレックの個人的なイメージと本作
ベン・アフレックはガタイはムッキムキでポーカーフェイスなのに不思議と全然タフガイにもスマートガイにも見えないんだよなあ。この映画にしたって監督主演脚本の七面六臂っぷりで実際めちゃめちゃ頭いい人なのは間違いないんだけど役とかスキャンダルの印象ですっかり「勉強できるけど頭悪い人」に見える。笑
サスペンスにおける信用できなさというか、安心感の無さというか、余裕ぶって来られるとより不安になる。予告の最初の会話とかもちょっとズレてるじゃん。「俺には無理だと?」ってそんな事一言も言ってないよ!って。笑 あれはモンタージュとか字幕がアレなだけだけど。
常に弱さや欠落を感じさせるからこそラフでダーティなギャングの世界で頭を使って敵を出し抜いたり逆に非情になりきれなかったりするところに面白みがある気もする。ピカレスクロマンなんだけど人間的な主人公。

▼淡々とした交渉シーンの笑えるエグさ
毎回交渉の現場に現れる登場人物がいちいち無防備で、とはいえ全員銃必携なわけでどこまでが口八丁でどこからが銃二丁なのかわからないからどのシーンも緊張感があって胃腸がシクシクした。
ベン・アフレックが毎回サラサラまともに話し合う気もないのに一応物腰穏やかで来ました、みたいな面で現れるのが個人的に笑えて仕方なかった。白々しいわ!って。笑

▼物語の方向性~シーンの面白さとは別の起承転結の興味の弱さ
淡々としてるからか要素が多いからか、物語がどういう方向に向かってるのかわかりにくい部分がある。事態が上手く行ってるのか、それともこじれているのか意図が把握しにくいというか。
例えば終盤にそもそものキッカケになった昔の恋人に会いに行く事に主人公がやたらこだわるんだけど今更会ってどうするつもりなんだろかと思ってしまった。実際会ったら会ったで「そんな手抜かりがあるか!」ってくらい生きてた件に関して全然納得ができなかったし、この展開いるか!?って疑問が晴れない。ただ別れ際の「あの頃にはこんなところに来るなんて考えもしなかった」って切ない余韻はグッと来た。(結局)

結局物語を即物的に観た感じ。だからなんでこんな展開つける必要があるんだって部分もそこ止まりで考えが止まってる。もしかしたらテーマ的にちゃんと整合性が取れるのかもしれない。
そこまで深く考えずに楽しんだ。(身も蓋もない)

★★★★★★★☆ / 7.5点

関連記事
スポンサーサイト

0 Comments

Leave a comment