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2017

映画レビュー:No.555 オペレーションメコン(原題「湄公河行動」)

オペレーションメコン
140分 / 中国、香港
日本公開:2017年5月27日
監督:ダンテ・ラム
出演:チャン・ハンユー
エディ・ポン







この記事はネタバレを含みます。ご了承ください。





「社会的に一定の評価を得ている」という価値基準をあまり信用してない。

▼出し惜しみ無しでモリモリ繰り出されるアイデアの数々
監督がダンテ・ラムだって観に行く前日まで知らなかった。期待ゲージが3目盛りくらい上がった。

中国の特殊部隊があの手この手でメコン河の麻薬密造地帯「三角金(ゴールデントライアングル)」の麻薬組織に迫るって終始そういう構図の話なんだけど(ざっくりした要約)、この「あの手この手」ってのが潜入捜査におとり捜査、拉致、銃撃戦、カーチェイスにボートチェイス、変装、ドローン、犬ちゃんまで使っておよそこれ以上のあの手この手は無いだろうってくらいのあの手この手っぷりだった。
ロケーションも人のいっぱいいる繁華街、人のいっぱいいる駅の構内、もっと人のいっぱいいるショッピングモール、警察署、ジャングル、メコン河水上と「こんなに好き勝手できてどれだけ潤沢なセット撮影なんだ!」とメタな感動を覚える程いつ何時どんなシチュエーションでも戦闘をおっ始めてくれる。出し惜しみという概念は子宮に置いてきたかのようにポンポコポンポコ面白いアイデアを出してくるもんだから最終的にアドレナリン過多で耳から脳みそ垂らして死ぬかと思った。そのくらい高カロリー。

▼アクションコーディネートの巧み
アクションコーディネートが毎回凄く練られてて、シチュエーションを活かしたアクション、「この状況だとこんな事ができるな」って発想が豊かなんだと思う。
素直に何かが上手く行くってシーンがあんまりなくて基本的にはしつこいくらいのトライ&エラーの足し算指向。登場人物みんなギリギリのとこで頑張ってて観てるこっちもめちゃめちゃ疲れる。
アクションの「成り行き」を作るのがとても上手くて毎回どこにシーンのおとしどころがあるのかわからない感じもハラハラした。
ダンテ・ラムにJR新宿駅とかでアクションシーンを撮ってほしい。

▼全クリを目指すTPSゲームのような手触り
映画が結構進んでからも「まだ新しいキャラが出てくるのかよ!」って感じとか「そういえば最初の方でそんな事言ってたな!」っていう目配せの不親切さとか相関図自体はだいぶゴチャッとしてるんだけど、そこをキャラデザとか見せ方でかなり飲み込みやすく整理してると思う。
それも含めて全体的に何となしゲームっぽい作り。ざっくり言えば全クリに向けて一つ一つステージをクリアしていくような脚本。
ライフゲージが無くなるまで割と戦える感じとか、シークエンスごとに小さな目的を明確にすることで場面で何を争ってるのかわかりやすい感じとかもゲームのライブ感がある。

▼物語要素に対する雑感
麻薬組織の子供がらみの場面が救いがなくて嫌だったなあ。
具体的にはロシアンルーレットの場面と警察署の場面。映画的には無くても成り立つんだけどあのシーンでグッと物語の闇が深くなった。
部隊の隊員が一人重傷を負わされるところとかもね。やるせねえ。

一応メコン河流域の4カ国合同の捜査線を張ってる話のはずなんだけど、主人公たちの中国特殊部隊以外の他の三カ国が冒頭以降消しカス程も存在感を発揮しないのは笑った。忘れた頃にほんのちょびっと現地警察なる輩が出てくるんだけど逆に今までは何してたんだってくらいだ。
中国特殊部隊は他国で好き勝手やりすぎだしそこら辺はだいぶ勢い良くウヤムヤにされてて笑う。

★★★★★★★★ / 8.0点


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