03
2017

雑記:17.08.02 DELAさん

CATEGORY雑記
「あの人のプレイに注目しときな。多分このコートで格が違うよ」
そう僕の隣に座った友人が言った。

あれは数年前の春、午前中からチームメイト3人で服飾系大学リーグの助っ人に駆り出され勝っても負けても誰も傷つかないような試合を毒にも薬にもならないような活躍でやんわりお茶を濁した、そんな始まりの一日だった。
試合後も早々に解散し正午には手持ち無沙汰になった僕たちはそのままいつものようにファーストフードで管を巻いて手応えのない試合の不完全燃焼な気持ちをぼんやり消化するという過ごし方もできたはずだったし、いつもなら大体そうしていた。
狛江の体育館で市民大会をやっているのは知っていたけれど僕たちはその時国立にいたし、試合は観るよりもやるほうがよっぽど好きだった。知り合いのチームが試合をするらしい、という程度の情報は持っていたけれど果たして今から行ったところでその試合が観れるのかも疑わしいと、それくらい不確定な状況だった。それでもその日は何となく示し合わせたように体育館に行くこと決めた。何となくその方が良い、という力が僕たちに働いた。

そうして観に行った試合にあの人はいた。
別に試合の詳細を伝えたいわけではないので経過も結果も省略するが、その試合は彼の試合だった。
あの人のシュートはそうなることが決まっているかのようにリングに吸い込まれた。ディフェンスがいてもいなくても彼はそうやってシュートを決めるんだろうと思った。身に染み付くほどの練習量とそれに裏打ちされた自信がこちらまで伝わるほど、正確で残酷なシュートを彼は決め続けた。
確かに一人だけ違うレベルでプレイしていた。

後々彼はすでにSomecityという日本のアンダーグラウンドバスケットボールシーンのレジェンドプレイヤーだということを知った。
そしてその後彼はプロに転向し5年ものキャリアを築いた。
そして先日引退を発表した。

あの日あの人のプレイを観て受けた衝撃を忘れない。
別に熱心なファンになったとか、そういうことではない。でも今まで観たバスケット選手の中で最も鮮やかな記憶になった。テレビの画面で観るレブロンのプレイよりもあの日あの場所で見たあの人のプレイの方が僕のバスケットボールを豊かにしている。
幸いな事に地元の体育館で何回かご一緒させてもらうことが出来た。恐縮してボールもらうことすらできなかった。あの人からオフェンスの機会を奪うことはそれだけで大きな過ちのような気がしたし、何より僕があの人のプレイを観たかったんだと思う。

DELAさん。本当にお疲れ様でした。







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