05
2017

映画レビュー:No.574 アメリカンバーニング(原題「American Contract」)

アメリカンバーニング
108分 / 香港、アメリカ
日本公開:2017年7月15日
監督:ユアン・マクレガー
出演:ユアン・マクレガー
ジェニファーコネリー
ダコタ・ファニング







この記事はネタバレを含みます。ご了承ください。




ハイソックスにしたら全く足を攣らなくなった。唯一それによって生まれる懸念は夏場に履いてたローカットソックスの使い所がいよいよ無くなったという事だけだ。実務的要請から言えば選択の余地は無いのだけどスポーツソックスは結構高いからどうしても使っていきたいという貧乏根性がしつこい。

▼唐突な展開というツイストの強引さ
カリコレ2017二本目。ユアン・マクレガーの監督処女作。主演もしてる。むこうの役者さんは作家願望強い人も多いよねえ。
久しぶりに見たダコタ・ファニングがすごいゴツゴツした見た目になっててびっくりした。

倦怠家族の一代記みたいな話で学生時代に街随一のスポーツマンだった男がミスコン獲るような超美人な妻を娶ってその後どういう人生を歩んだかという物語。
人気者で親の事業を継いで奥さん美人で人生イージーっしょ!という他人のイメージに対して「そんな事もないんやで」って苦労を延々語るような内容なんだけど娘は吃音障害に始まり思春期には反戦運動が高じてテロリストになった挙句行方不明、妻は精神的に不安定になり美容整形の後不倫と大変のレベルが違う。
作家の中で感情の流れの因果関係は描けているつもりかもしれないけどそれを映画的に語る術に弱く唐突に極端な展開が続くように見える。それによって次どうなるのかわからないって面白さを感じる部分もあれば映画として散漫に映る部分もある。

▼表面的な設定と物語の飛躍やリアリティのギャップ
"相手の思い描く自分"という要求に応えられない家族の話なのだけれど少し表面的な設定に頼りすぎているというか、飛躍に対して説得力のある描写が足りない印象だった。キャラクターや語り口、脚本など映画としてのオリジナリティやキャッチーな要素があまり無いこと、リアルと言うよりは淡々としていて描き込みが弱いこと、その割に展開は極端なことと一つ一つの小さな減点がまとめて揃ってしまった結果映画としての印象に残らなさ、焦点の絞れなさに繋がったように感じる。

▼情動が結ばれないという物語の散漫さ
娘から本気キスを迫られるとことか黒人差別運動が職場に飛び火するとこ、郵便屋さんが爆発するとこ、娘の"友人"が会いにくるとこ、娘との再会のとことシーン単位で面白かったり面白くなりそうだったりする部分は沢山あって一回一回気持ち新たに「おっ!ここからどうなる?」とワクワクしながら観たんだけど後から考えてみると映画としてキッカケ、もしくは結果が描けていないから点と点が上手く線で繋がらないような断絶感がある。
キャラクター描写とかすごく生真面目なんだけど退屈な生真面目さで惜しい。
娘の刺客なのか?って女が来たところはシーン的にもすごく楽しかったけど結局何だったのかよくわからないし、そこら辺をサスペンスなりミステリーなり家族ドラマなり一つの印象に収束させられればもう少し映画としての個性が出たかもなあ。

撮影はすごくきれいで画的な快感は強く感じた。こういう撮り方がしたい!って美意識が感じられたしそれがきちんとクオリティに繋がってた。
そういう映画のテンポも凄く真面目な作品で、キャラクターや掛け合いにちょっとしたユーモアを獲得するだけでもかなり違った印象になると思う。

★★★★★ / 5.0点

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