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2017

映画レビュー:No.600 エイリアン:コヴェナント

エイリアンコヴェナント
122分 / アメリカ、イギリス
公開:2017年5月12日(日本公開:2017年9月15日)
監督:リドリー・スコット
出演:マイケル・ファスベンダー
キャサリン・ウォーターストーン
ビリー・クラダップ
ダニー・マクブライド
デミアン・ビチル
カルメン・イジョゴ







この記事はネタバレを含みます。ご了承ください。




コピーバンドを組みたかったけど友達がいなかった。

▼リドリー・スコット的因果律の世界
リドリー・スコットは相変わらず「もう詰んでんねん」って世界で「頑張ろうね」とか言ってる人間、みたいな映画を撮ってて観終わると生きるモチベーションが下がる。大体彼の映画で信仰とか口にするやつは身も蓋もない現実の前にあっちょんぶりけと殺されるし、ある程度リアリスティックな判断というのが最も強い勝ち筋の因果律の世界。
プロメテウスと本作の間に化学考証至上主義みたいなオデッセイという映画を撮ってるのにこっちのシリーズの世界に戻ってきたら宇宙飛行士が人類最強クラスの能力を必要とする職業という事を簡単に忘れてしまうくらい登場人物たちが景気良くフラグを立てていく。まあモンスターパニックの運命に従順な構成ではある。
パニクって闇雲に銃を乱射した結果探査機ごと炎上したり、シャワールームでセックスしてて重要な連絡を聴き逃したりちょっとどうかと思うくらい人類が間抜けに描かれてる。

▼ファスベンダーの使い方
本作で今後のシリーズにいくらでもファスベンダーを起用できるという免罪符が整ったわけだけど肝心のキャラクター(デヴィッドの方)はプロメテウスから相変わらず「どういうつもりやねん」と500回くらい言いたくなる、とにかくわからんが何か猛烈に怪しいのは確かだという不審な立ち回りで一貫してる。
まあ超越的な存在なのでこっちの理解の範疇を超えるのはある意味筋が通ってる気もするけど、何か常に根本的な説明がスコーンと抜けているようであんまり納得した感じはしない。

▼エイリアンが出て来るって話
今作はプロメテウスに比べてエイリアン要素増し増しで、そういう見せ場は「怖いけど待ってしまうのも事実だ」といつも通り非常に複雑な楽しみ方。
卵の時点からエイリアンの種としての寄生能力が高すぎて一歩間違えれば映画が速攻で終わってしまうくらい絶望的に不可避な設定なのだけれど、そこは物語の都合で不問に。(当たり前)
宿主がいないと成長できない種のくせに大きくなったら人間皆殺しにするって繁殖意識が遺伝子レベルで極めて低い種族だなと思う。

SFとしてのデザインの側面は前作プロメテウスから後退してたけど、あのエイリアンのプロトタイプみたいな白くてヌルっとした見た目の化物はより話が通じなそうで良かった。
エイリアンがポップアイコン化してきてちょっとカッコよく見え始めてきた中で改めて不気味で怖い存在に見せきる演出はとても正しい。
成体のデザインは良くも悪くも洗練されすぎてるんだろうな。

★★★★★★ / 6.0点

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