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映画レビュー:No.640 見知らぬ乗客(原題「Strangers on a Train」)

見知らぬ乗客
101分 / アメリカ
公開:1951年7月3日(日本公開:1953年5月20日)
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:ファーリー・グレンジャー
ロバート・ウォーカー
レオ・G・キャロル





この記事はネタバレを含みます。ご了承ください。




基本的には臭いものには蓋という掃除術。

▼今となってはあんまり見れないレベルの強引さ
電車で乗り合わせたおっちゃんに交換殺人を持ちかけられて一笑に付したつもりが何を勘違いしたのか本当に殺しやがって大変、という話。
物語内の証言や証拠の信用度については都合重視の側面が強いし終盤の行けるか行けないかサスペンスの作りとか「なんじゃそりゃ」っていう露骨な取ってつけた感ではあるんだけど、そういう今となってはあんまり見れないレベルの強引さも含めて面白い部分。
物語のキーになるロジックの見せ方に関しては相変わらず凝っててヒッチコックの映画的語り口のプライドを感じる。

▼緩めのサスペンスを笑って楽しむ
サスペンスとしてのリアリティは正直ゆるゆるで、見張り役の物語的機能のペラペラな薄さとかアリバイを成立させない展開の雑さとか、予想の裏切りが目的化しまくってる。
「あっ、この場面はこれで終わりか」という拍子抜けもまあまああった。ポップコーンとか食いながら生ぬるい目で見る方が合ってると思う。

主人公はそもそも背徳的な動機のある人物だからか作り手が嫌いなんじゃないかと言うほど物語内の信用度が不当に低くて、最後のもうあと証拠が出て解決するだけって段階でもまだ言うこと聞いてもらえないという一揉めが入るくらい不信の目がしつこい。彼は一応被害者なはずなんだけどなあ。笑

▼コメディとして楽しめる部分
リアリティというよりはデフォルメした面白さを狙ってる部分が多くて作品の感触としてはロープ以上にコメディ色が強い。不倫相手の妹のキャラとか、たまたま乗り合わせたおっちゃんのサイコ感とか細かい笑いも積極的に取りに来てる。
あの母親の「話通じねえ...」て感じとか見張りの片割れの「もう逮捕でいいっしょ?」っていう雑な態度とか、クライマックスの正気とは思えない盛り上げ方なんて言うに及ばず。何なら終盤にかけてロジックがどんどん大味で雑になっていくのすらシュール。
ラストも「ちゃんちゃん♪」的な切れ味で一笑い取ってスパッと終わるし、ロープもそうだけど思ったよりも軽い面白さが印象的だった。

★★★★★★ / 6.0点



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