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映画レビュー:No.642 THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY

the limit of sleeping beauty
89分 / 日本
公開:2017年10月21日
監督:二宮健
出演:桜井ユキ
高橋一生
古畑新之







この記事はネタバレを含みます。ご了承ください。






母がちょくちょくブログに赤を入れてくる。

▼作品の独特のリアリティ
すっごい混んでた。高橋一生人気なのか、成田凌人気なのか。
主人公は売れない女優志望である日オーロラというクラブに住み込みの従業員として転がり込む。自分の居場所というつかの間の安らぎ。
しかし若さを消費し、恋人はいなくなり、少しずつ現実が彼女に追いついてくる。酒、ドラッグ、賞味期限。彼女はイマジナリーフレンドを作り現実に目を瞑り続ける。クラブも閉店、取り壊しが迫る。

全体的に象徴的な演出をしていて主人公の内面的な話を監督特有の感性で絵にしているのがわかるのだけど、その浮遊したリアリティのまま時制もレイヤーもザックザクに編集していてとても情報量が多い。
上手く行ってる、行ってないは別にして攻めてるなあと思った。興味深い。
どこまでがリアルでどこまでが妄想かわからないような演出をしているけれど基本的に全てファンタジーテイストの味付けであまり深読みの興味が沸かなかった。虚実皮膜と寓意のどちらかに絞ったほうが良かったんじゃないか。ただ、このバキバキで観客を積極的に混乱させる構成も監督のやりたかった事なんだろうな。

▼役者さんの印象
主人公の女優さんはすごく上手というタイプではない気がしたけど色々な表情を見せる大変な役をすごく独特の佇まいで演じていて印象に残った。目立つわけではないけど目で追ってしまうタイプと言うか。脱ぎっぷりが良かった。
あとピエロを演じてる人が抜群に上手かった。彼が出てくるとワクワクしたね。

▼画作りの個性
象徴性を計算して取っているだけあって作り物感で醸し出すファンタジー=夢の中という画作りにはところどころ強烈な個性を感じた。
色彩とか音楽とかネオンデーモンを思い出したりしたけど多分偶然だし、特にクライマックスの銃撃戦とか悪夢的イメージの決着として物語と画作りと予算規模がガッチリハマっててカタルシスがあった。
ちょっと嘘くささを狙い過ぎなキライはあるけど中々妥協がなくて良いなと思う。

全体的に作り手の頭の中にある面白さが観客に伝わっていない感じがあるんだけど、とにかく個性的で強いこだわりという作家にとって大事な資質を感じる。
酒井麻衣監督とか少し近いかな。どうだろう。
次回作は全く別の題材で観てみたいかも。

★★★★★ / 5.0点
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