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映画レビュー:No.664 ザ・サークル

ザ・サークル
110分 / アメリカ
公開:2017年4月28日(日本公開:2017年11月10日)
監督:ジェームズ・ポンソルト
出演:エマ・ワトソン
トム・ハンクス
ジョン・ボイエガ
カレン・ギラン







この記事はネタバレを含みます。ご了承ください。



髪の毛がボサボサに伸びているのだけどここで久しぶりにバッサリと行ったら思いの外前髪が心もとないという事実に直面してしまうのではという不安になっちゃってなかなか理髪店の予約が出来ない。

▼"便利さ"の危険性
便利という事の「何でもできる」という側面は決して何をしても良いということではない。技術の開発が踏み込み続ける一歩先の新しさを前に善悪の判断は曇る。
自己顕示、同調圧力、相互監視と新しく生まれる世界のスタンダードが全てを明るいところに引きずり出す。本来人それぞれに活用するべき便利さが社会にとって一律の正しさとなる。
主人公は最初の面接で個人のニーズと社会のニーズは同じと答えるけれどその一般化に危険な落とし穴がある。

▼共感を誘う設定の魅力の乏しさ~ディストピアの倫理的揺さぶりが機能しないという問題
正直説得力を感じるほど良いなと思える会社でもアイデアでもなくディストピアとして観客の倫理観を揺さぶる面白さは少ない。ある種寓話=例え話だよねと逆に割り切れてしまえる部分とも言える。
皮肉として成立させるには劇中で吹聴される魅力に共感性が必要になるわけだけれどそこは割と誰が観ても問題有るし危ないと思うような描写になってしまっていると思う。

▼要素として随所に見られる一定の現代性
ただ、ネットを見ていると一定層は劇中のような形で依存している人はいるし、一つ一つの描写に思い当たる節がある程度には現代的なモチーフではあると思う。インスタ映えとかYoutuberとか"見せる事"を個性に変換している人はいる。
ちなみに僕は極論で言うなら携帯とかSNSとかは無けりゃいいのにと思っている人間だけど、大切なのは価値観の足並みをそろえることではなく人それぞれ自分のニーズに合わせて用法用量を守れよということだ。
十人十色で適度な距離感。そんな当たり前のことすらわかんないのかねって映画かもしれない。

面白いのは日本と違って匿名性が問題提起に加わらないところで、日本ならいかにも炎上然と描かれそうな場面も割とみんな理解があるように描かれていたりする。アメリカのSNS観ではこのくらいがリアルなのかなあとか思った。
もしかしたらあそこで出てきた無数の吹き出しは見る人が見たらめっちゃネット然とした陰湿さなのかもしれないけど。

★★★★★ / 5.0点

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