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映画レビュー:No.674 ザ・シークレットマン(原題「Mark Felt: The Man Who Brought Down the White House」)

ザ・シークレットマン
103分 / アメリカ
公開:2017年9月29日(日本公開:2018年2月14日)
監督:ピーター・ランデズマン
出演:リーアム・ニーソン
ダイアン・レイン
マートン・チョーカシュ
アイク・バリンホルツ
トニー・ゴールドウィン







この記事はネタバレを含みます。ご了承ください。



年に一回くらいセルフのガソリンスタンドでタバコを吸ってるやつを見かける。死にたいのか。

▼前提情報が多い映画
僕はアメリカ最大の政治スキャンダルと言われるウォーターゲート事件すら「なんか聞いたことある!」というザマだったので、それを前提に情報量が組まれてる本作は脳みそパンパンになってそのまま頭が破裂するかと思った。
学がないと大人になって色々苦労するなあ。久々に知恵熱が出るような映画体験だった。

▼非常に低体温で静謐な演出
政府のもみ消し工作で独自機関としてのFBIが機能不全に陥っていく冒頭からキャラクターを見分けるのにだいぶ苦労して大変だった。
頭の中の相関図を更新していく作業が必要な作品だけに同時進行で物語まで追っかけるとなるとかなりいっぱいいっぱい。
主人公がディープスロートであることはサスペンスとして描かれず、彼の寄る辺ない立場、正義のための孤独な戦いが物語の中心。

▼積み重なる徒労感~迷う正義の孤独な戦い
彼の成す義が成果として表れないため、展開にカタルシスがなく物語が今どの段階にあるのかもすぐにはわかりにくい。実際内部告発を報道し続けたワシントン・ポスト以外ウォーターゲート事件の報道はほとんどメディアの関心を得なかったらしく、その「俺のやってることは本当に意味が有るのだろうか」という徒労感や五里霧中を行く手応えの無さが語り口にも表れている。
主人公はドシッと構えて正義を行使するわけではなく割と卑小な嘘をついたり仲間を売ったり、手段を選ばないというよりあんまり冷静じゃないしカリスマ性もない。
そういう人間臭さ、彼という人間がいかに人生を犠牲にして、その割にあまりに何も得られなかったのかを俯瞰した諦観たっぷりに描いている。リーアム・ニーソンの哀愁たっぷりな表情もことの報われ無さに拍車をかける。

▼寄る辺無さの画面表現~ハードボイルドな抑制
彼は内部告発者としての優位を保つために政府側からも組織側からも疑惑や顰蹙を買う立場を積極的に引き受ける。心を許せる場所の無さを示すように周りの人物が総じて無機質に顔が無い"その他大勢"として演出されてて、そこがわかりにくさでもありハードボイルドな部分でもある。
結論がわかっている分ドラマ的には弱いのは仕方がないとはいえ、やや展開に欠ける部分はある。

★★★★★☆ / 5.5点
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